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ヒアルロン酸の構造と特性
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ヒアルロン酸の構造と特性
ヒアルロン酸の構造と特性
(1)ヒアルロン酸の構造
ヒアルロン酸の構造 ヒアルロン酸はムコ多糖といって糖を構成する炭素、水素、酸素のうち、酸素の一部が窒素に置き換えられたアミノ糖のことで、アミノ糖を主成分とする多糖のことです。分子構造としては、アミノ糖であるN−アセチル−D−グルコサミンとウロン酸であるD−グルクロン酸と呼ばれる2糖が一列に規則正しく交互に結合し合った、極めて分子量の大きい多糖類です。

構造式でわかるように、水(H20)との親和性が高く水を吸引する構造を持っています。この水溶液は非常に粘度が高く、安定した水との親和構造になっているので、温度や湿度の条件に左右されずに常に一定の保水性を保持する性質があることから、皮膚の潤いや肌の弾力性を維持するわけです。

精製された純粋のヒアルロン酸は白色のわた状の形をしています。これに水を加えると濃度が高くなり、溶液状から透明なゼリー状(ジェル状)となります。手につけると、スベスベになり、ほとんどべとつきが残らないという不思議な性質を持っています。

ヒアルロン酸の分子量はすべて同一ではなく、存在する身体部位や年齢さらには、その役割などによっても異なっています。たとえば、関節液などでは800万にも及ぶ大きな分子量となっています。ヒアルロン酸はこのような巨大な分子量をもつため経口摂取しても体の中に吸収されにくく、食品として用いる場合には吸収されやすい大きさに低分子化する必要があります。

ヒアルロン酸は生体の中ではヒアルロン酸を一本の柱として、これに洗浄用棒ブラシのように糖タンパクなどを結合させて大きな複合体を形成し、組織や器官の形状保持や衝撃緩衝などに役立つようになっているのです。

(2)ヒアルロン酸の特性
●優れた保水力
どんなに体によいとされる水を飲んでも、これが十分に体内の必要部位に留められ、十分な働きをしなければ意味がありません。ヒアルロン酸は大変保水性に優れており、特に、皮膚のみずみずしさやしなやかさをつくり出す役割を持っています。逆に、皮膚からヒアルロン酸が減少すると、細胞を取りまく水分が減少するため、肌の張りや弾力性が失われてしまいます。
皮膚のヒアルロン酸は胎児の時に最も多く、加齢とともに減少していきます。たとえば、赤ちゃん時のヒアルロン酸の量を100とすると、成人期、高齢期にはその50%〜25%まで減少してしまいます。
0〜20才 100%〜80%
30代 65%
50代 45%
60代 25%
赤ちゃんの肌がみずみずしく、張りがあるのはヒアルロン酸を多く含んでいるから。ヒアルロン酸は生体内で生産されるものですが、これを生産する能力も年齢とともに低下していくために、当然のことながら体内ヒアルロン酸も減少し、保水力も低下し、これが主因となってさまざまなトラブルを引き起こすのです。
スウェーデン、ウプサラ大学のローレント教授によれば、1gのヒアルロン酸で5〜6リットルもの保水力を持つとされています。しっとりと水分がゆきわたり、潤いのあるみずみずしさをつくり出すのはヒアルロン酸の大きな特徴の1つです。それは分子量の大きさにも関係しており、たとえば、コラーゲンの分子量は10〜30万であるのに、ヒアルロン酸は数100万〜800万と大きな分子量をもっています。保水量はこれらの物質の分子量の大きさに比例して大きくなっていくのです。

●加齢とともに減少
かつてギリシャの哲学者タレスが、全ての物質の根源は水にあると述べたとおり、動物にしても植物にしても水なくしては生命活動の維持は不可能であることはいうまでもありません。人体の60%近くが水分で占められていますが、この水分が細胞内、細胞外、組織間液、血漿などに分布して呼吸・循環、体温調節をはじめ、細胞や毛細血管などの隅々まで体液をいきわたらせ、酸素や栄養の供給、老廃物の除去、さらには各種物質の代謝にと、様々な大切な働きをしています。また、タンパク質や酵素分子が高次にして複雑な構造をもって独自な働きができるのも水があるからです。つまり動植物の体内において、物質の移動や活動はすべて水という媒体を通じて行われているのです。
人間の場合、全身の水分の10%を失うと危篤状態に、20%を失うと死亡するといわれていますが、それほど重要な身体の水分も加齢とともに減少していきます。そして、みずみずしさやしなやかさもどんどん失われていきます。植物に水を与えないと枯れていきますが、人間の場合も同じです。「老化とは乾燥の過程なり」といわれるように、加齢とともに身体の水分が減少し、植物と同じように枯れていくのです。というのは、体内の水分を保つ物質、つまりヒアルロン酸の合成力が加齢とともに低下し、そのため、保水力が低減することにより、さまざまなトラブルが生じるようになるからです。たとえば、皮膚においては、肌のかさかさ、たるみ、しわ、肌あれと老化現象が顕著に表れ、若い頃のはりのある肌、みずみずしさがなくなっていきます。

体内水分の減少(体全体の水分量を100%とした時)
年齢 男性 女性
20〜60才 60.6% 60.6%
60代 51.5% 45.5%

心臓弁の水分量
30代 100%
40代 60%
50代 45%

●ヒアルロン酸はECM(細胞外マトリクス)の代表格
人間の体はおよそ90〜100兆個にも及ぶ細胞から構成されており、これらがそれぞれの役割を果たしながら、統一体としての人間の生命活動を営んでいます。ところがその細胞1つ1つの周りには、必ず細胞外マトリクス(ECM)という物質が存在しています。この細胞外マトリクスは、Extra(外側の)、Celluler(細胞)、Matrix(物質)の頭文字をとったもので、細胞の外側にある物質環境というような意味に使われています。また、このECMにEがついたECM−Eという用語がありますが、語尾のEはExtract(抽出物)という意味で、細胞外マトリクスの成分を抽出したものという概念で使われています。
細胞外マトリクスの主成分は、ムコ多糖(アミノ酸などの単糖がいくつかつながった、ネバネバした物質の総称名)に属するヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸をはじめ、コラーゲン、エラスチンのような繊維性タンパクや糖タンパクなどで構成されていますが、その主役は何といっても高い保水性を持つヒアルロン酸なのです。これが人体の皮膚、関節、大脳、眼の硝子体、子宮、へその緒、心臓・・・とあらゆる部位や器官に存在し、様々な大切な役割を果たしています。今では、鶏のトサカに多量に含まれていることが明らかになり、すでにその抽出および実用化がなされています。



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